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【コラム20】 内部統制とCSR報告書

先般、審査会社のご厚意で環境報告書(「サステナビリティ報告書」「CSR報告書」という呼称がメインになっていましたが)の審査に関するセミナーに参加する機会がありました。 その中で、CSR報告書における内部統制の取り扱いがどのようになっているのか興味を持ちましたので少し調べてみました。

現在「環境報告書(CSR報告書)」を発行している企業数は平成16年で801社、平成17年で933社*となっており、そのほとんどが環境報告書ではなく、環境・社会報告書、CSR報告書として発行されています。 今回、18社の報告書についてホームページなどにて内容を調べてみましたが、18社中CSR報告書として発行されているのが10社、環境・社会貢献報告書としては4社、環境報告書に特化して報告しているのが4社でした。但し4社中2社は環境経営報告書として従来の環境報告書から少し経営に踏み込んでいましたので、環境に特化しているのは2社ということになるでしょう。

全ての報告書は、コーポレートガバナンス、リスクマネジメント、コンプライアンスなどに関する記述がありましたが、内部統制に言及しているのは3社のみとなっています。ただし、 これらの報告書の内容は2006年の結果を報告するものですから、2年前の報告という点から考えると、その時点で内部統制に関して言及していたということはかなり先進的な企業といえるでしょう。

ただ、それら3社の内部統制に関する記述は、全てコーポレートガバナンスの一環として内部統制システムを今後構築していく、といった程度に終わっていますので、今年2008年に発行される報告書には、内部統制の構築結果を記載する企業が増加すると考えられます。

報告書全般にわたって感じられるのは、企業としてガバナンスを強化していこうという姿勢です。これらの報告書が発行されたのが2007年の夏頃以降ですから、編集の段階で食品業界のコンプライアンス問題が世間をにぎわしていた時期になりますので、当然とはいえるでしょう。いずれにしても、今年の報告書では内部統制の結果としてのコンプライアンス状況の報告にページの多くが割かれることになると考えられます。

*さらに興味のある方は環境省のホームページ「平成17年度 環境にやさしい企業行動調査 調査結果」を検索してください。平成18年分は間もなく調査結果が発表されるようです。

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