本番年度を間近に控え、どのお客さまも「早期に内部統制システム構築の目途をつけたい」など、ある種の焦燥感を強めています。その結果、「相対的な進捗状況」についてご質問をいただく機会が増えています。
個別のお客さまの状況についてお話しできるはずがないのは言うまでもありませんが、全体論として、私は以下のように回答しています。
「見た目の進捗状況は大体同じですが、その内容には以下の2例のように、はっきりした差があるようです。
a)うまく現場を巻き込んでいる企業
現場からの要望が活発になされると共ともに、発見された問題点への対応についても熱い議論が交わされます。このような企業では、組織文化に内部統制が組み込まれていくのが目に見えて分かります。
b)事務局が全てを背負い込んでいる企業
事務局は作業負荷に対応しきれなくなり、現場は言われた作業を行うこと自体が目的となるので、各個人はa)の例と同様まじめに取り組んでいるにもかかわらず、内部統制は形骸化し、組織としての成果は一向に得られません。
このように差が出る最大の要因は、現場を巻き込んだ活動がどの程度できているかであり、最も大切なのは、事務局と現場との濃密なコミュニケーションですので、再度意識をしてみて下さい。」
上記a)のように、「コミュニケーションを通じた企業全体での取り組み」の重要性について、最大限に意識をしながら取り組む必要があるようです。