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【コラム11】 業務プロセスの文書化について

内部統制のシステム構築を行う中で、文書化に関しては多くの工数を掛けておられることと思います。なかでも業務プロセスの文書化にあたってはいわゆる「業務フロー図」「業務記述書」「RCM」の3点セットの作成が構築の中でも大きなウエイトを占めるところです。

業務プロセスの文書化のお手伝いをする中で、作成頂いた文書を拝見するといくつかの特徴がみられます。お使いになっておられるツールによっても異なると思いますが、業務フロー図中心に作られる場合と、業務記述書中心に作られる場合でそれぞれにみられる特徴と注意点について記述してみたいと思います。

業務フロー図中心に作成された場合にみられる特徴の一つに、多くのプロセスを1つのフロー図にまとめ過ぎてしまわれるケースがあります。一見フロー図としてはまとまっているようですが、業務記述を見ていくと具体的な業務記述に乏しく、業務の中のリスクやコントロールがよく分かりません。
業務記述書中心に作成された場合に見られる特徴の一つとしては、記述内容が動作レベルになっており、業務の目的がよく分らないケースがあります。

いずれの場合も文書化にあたり、文書化の目的を明確にして頂くとよいのではないかと思います。内部統制の仕組みを明確にする上での業務プロセスの文書化の大きな目的は、業務実施におけるリスクを自ら認識し、それに対する統制の仕組み(コントロール)を明らかにし、的確に実施していることを外部の監査人や内部監査人に示すことであると思います。
そのためにはどの程度の大きさのプロセスで区切ればよいのか、どの程度の詳しさで業務手順を記述すればよいのか、文書化にあたり文書化ご担当者の方々で最初によく話し合って頂ければと思います。
限られた時間で効率的に文書化を進めていかれる上で、準備段階にしっかりと時間を掛けられることをお勧めします。

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