みなさん、こんにちは!
いよいよ、サステナビリティ推進に向けての「コラム」がスタートしました。
第1回目は、「サステナビリティ推進の目的とサステナビリティ経営の意義」について解説してまいります。
サステナビリティ(Sustainability)とは、「持続可能性」を意味しており、日本では2030年までの温室効果ガス46%削減(2013年比)をはじめ、2050年の完全なカーボンニュートラル実現に向けて具体的に取り組んでいる企業が増えています。サステナビリティといっても、温室効果ガスやカーボンニュートラルといった環境課題(Environment)に関わる活動だけではありません。平等に教育を受ける機会の提供や多様性のある働き方改革など社会インフラ、保健、医療、衛生、社会福祉、教育などの社会サービスを改善するための社会的課題(Social)や、環境保護や社会の課題解決につながる商品開発および販売活動など企業や経済全体が将来にわたって社会に貢献し利益を出して成長を続ける経済課題(Economic)など、事業活動を通じて世界を持続的な状態にするために「環境」「社会」「経済」の観点で持続可能な状態を実現する活動を「サステナビリティ」と呼んでいます。
つまり、地球環境、国、個人および社会全体を対象として、期限を定めない長期的な活動がサステナビリティということになりますね。
最近、よくある質問として、「サステナビリティとCSR、SDGs、EcoVadis、RBAとの違いは何ですか?」というものがあります。
CSRは、Corporate Social Responsibilityの略で「企業の社会的責任」ということですが、これは、企業が社会や環境と共存し、持続可能な成長を図るためその活動の影響について責任をとる企業行動であり、社会やステークホルダーのニーズおよび期待に幅広く応えることにより企業の信頼を得ることを目的とする活動です。
また、SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略で「持続可能な開発目標」ということですが、これは、持続可能でよりよい世界を実現するために2030年のあるべき姿を描いた17の目標とその目標を達成するための具体的な169個のターゲットを定めた国際目標であり、世界を持続的な状態にするため、2030年をGOALとする目標に向けた活動するものです。
EcoVadisは、2007年にフランスで設立された、企業の環境・社会的慣行の改善を目指す企業のESGへの取り組みを評価する組織で、「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な調達」の4つのテーマに対して、国連グローバル・コンパクト、ISO 26000などの世界基準のサステナビリティ・スタンダードに基づき、企業のサステナビリティ推進状況を評価するしくみです。EcoVadisで評価された結果(総合点)に応じてPlatinum、Gold、Silver、Bronzeの4つのメダルでサステナビリティ推進における有効性が評価されます。
RBAは、Responsible Business Allianceの略で電気電子機器(エレクトロニクス)産業を構成するサプライチェーン全体に求めている行動規範のことで、労働環境が安全で、労働者が敬意と尊厳を持って処遇され、事業活動が環境に対して責任を持ち倫理的に行なわれるための基準を定めたものです。ということで、サステナビリティ、CSR、SDGs、EcoVadis、RBAは、活動の目的や対象範囲ならびに活動期間などに違いはあるものの、すべてがサステナビリティであることに間違いはないということですね。 現在では、上記のように「環境」「社会」「経済」など多岐にわたる課題に対して持続可能な状態を実現することを重要課題として取り組む経営を「サステナビリティ経営」と呼んでいます。
このように、持続可能な社会の実現に向けたサステナビリティ経営を行い、その取り組みを公開することで、企業のブランドイメージの向上、ステークホルダーに対する信頼・信用の向上、社会的価値の向上、優秀な人材採用など多くの観点で経営の安定化につながる効果が期待できます。
今後、国際社会における企業価値の評価基準には、高品質な製品・サービスの提供や顧客満足度の向上による活動効率や収益性といった事業・経済価値に加えて、CSR、EcoVadis、ESG、SDGs、RBAなど「サステナビリティ」という新たな社会的価値が加えられることは間違いありません。
ペリージョンソン コンサルティングでは、企業の高い事業成長と「環境」「社会」「経済」への社会貢献の両方を共に実現するために、EcoVadis、RBA、ESG、SDGsなどのサステナビリティ推進の強力なパートナーとして、新たな時代にふさわしいソシューションをお客様に提供してまいります。
さて、次回のテーマですが、
『サステナビリティ推進に向けた構築ステップ』を具体的に解説してまいります。
「これからサステナビリティを推進したいのだけれど、どこから着手したらよいのか分からない」と悩んでいる企業のみなさまのために、構築ステップごと構築ポイントや留意事項について解説します。