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【コラム4】 焦らず構築しましょう

金融庁から「実施基準」が発行され一定の時間が経過したこともあり、内部統制構築の姿が大分見えるようになってきました。しかし、そこから見えてくるのは、あくまでも大枠のフレームワークであり、現場の実務に落とし込んだ際の、具体的手法は未だ良く理解されていないことが多いのも現実です。

そもそも内部統制の構築は、企業ごとに広さも深さも違っていて当然であり、それをひとつの基準に当てはめることに無理があるのだと思います。100の企業があるならば、100通りの内部統制があるはずです。そして、そのオリジナリティーを誰も否定することは出来ないはずです。自社の業種・業態・業容・リソース・歴史・文化を見極め、自社に合ったオリジナルの仕組みを構築し、虚偽記載を含めた各種の問題が発生しないようにすることが成功への近道と考えます。ただし、その構築の方向性を誤ると取り返しの付かないことになりかねません。「実施基準」が示されたのはそのためです。そして、すでに皆様もご承知のとおりその内容は世界へ誇れる素晴らしいものになりました。

ある監査人様とお話をした際、

「実施基準に書かれていることがおかしいのです」

とおっしゃった方がいました。本当の意味で「実施基準」に示された精神が理解され、実務に落とし込まれるのには、やはりもう少し時間が必要なのでしょう。 こんな状況の中、一番ストレスを感じているのは、内部統制の構築を一任された事務局の皆様でしょう。万が一にも構築が間に合わないようなことにでもなれば責任問題に発展しかねないと考え、眠れぬ日々を過ごされている方も多いのではないでしょうか。

内部統制構築は決して難しいことではありません。一つ一つ活動を続ければ必ず素晴らしい内部統制の仕組みが出来上がります。そのためのポイントとして、以下のようなことが挙げられます。

(1) 「実施基準」をよく読み、書かれていることを十分に理解し、忠実に実施すること。
(2) 他社のマネをせず、自社に合った最良の手法をオリジナルで考えること。
(3) 社内、社外(監査人様、コンサルタント)のコミュニケーションを十分に図ること。

そして、最も重要なことは焦らないことです。焦りは、コミュニケーションを悪化させ、考える力を弱めさせ、判断を誤らせる最大の原因となります。とは言え、時間はどんどん迫ってきます。皆様、力を合わせて、急ぎつつも焦らずに、構築を進めましょう。

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